ノルウェー人は日本人よりもルックスより中身重視だと思っていますが・・・でも特に若い女性は「もっと痩せたい」「きれいになりたい」という願望を強く感じているでしょう。
ネットの普及によって「他人との比較」が容易になりました。昔のブログで紹介した”Rosablogg”＝女の子の自慢ブログは、そうした「あんな風になりたい」欲を駆り立てるのに効果的でしたね。
ノルウェー国営放送（NRK)は、そうしたKroppspress「身体へのプレッシャー」を真正面に取り上げたユニークな番組を作りました。面白かったのでご紹介してみましょう～。
タイトルは”Line fikser kroppen”「リーネは身体を直す」です。↓のURLから番組が見られます。

https://tv.nrk.no/serie/line-fikser-kroppen/MYNT18000117/sesong-1/episode-1

Line Elvsåshagenリーネ・エルヴソスハーゲンが司会を務めていますが、冒頭、「ビーチに行くのは好きだけど、身体を見せるのは嫌い」と告白。

ビキニになれますか？

確かに・・・正直、リーネは太目な身体。でも「自分をもっと好きになるために、自分の身体を受け入れるために」文字通り身体をはって、様々な場所に出かけたり、人に会いに行きます。
番組中に引用された統計は・・・

・ノルウェーの15歳の女の子のうち「自分は太っていると感じている」のは50％
・16歳から18歳の女の子のうち「セレブと自分の身体を比較している」のは80％

そのセレブの代表として、Instagramで人気のセレブKim Kardashianが紹介されます。
すみません・・・全く無知で・・・この人はカニエ・ウェストの奥さんなんですね。インスタ見ましたけど「人工的すぎる・・・」と引きましたよー。でも彼女に真面目に憧れている女性がたくさんいるのでしょうね。
司会のリーネは、Kimのマネをしてメイクやそれっぽい服を着てセルフィーを撮りまくりますが（場所が場末のスーパーなのがウケる）、「こんなの退屈で、リアルじゃない」とあっさり美への追及を放棄。Skjønnhetspress「美へのプレッシャー」という単語もあるんだな～と勉強になります。インスタに関しては、ノルウェーでは小学生でもアカウント持っているくらいメジャーなんですけど、

・ノルウェー人の女の子は1枚をUPするために15枚のセルフィーを撮っている

という数字も挙げられて・・・「若くなくて良かった」と言いたい気分です。
それからリーネは「普通の女の子たち」に会いに行きます。自らの身体を映すためブラジャーとショーツ姿だけの女の子たちが、6人くらい並んでいます。普通にたるみがあって、ムダ毛がある身体です。
でもリアルじゃない身体の方がメディアやSNSで一般的なので、普通の女性たちの「リアルな身体」の方が見ていて新鮮でしたね。テレビにこの姿で出演するなんて、勇気があると思いませんか？

さらにリーネは、ノルウェーの人気女優Ulrikke Falch ウルリッケ・ファルクのもとを訪れます。この名前で反応した人はドラマSKAMのファンですね！そう、SKAMのVildeを演じて以来、彼女はよくメディアに登場しています。摂食障害の過去を持つ彼女は、Kroppspress「身体へのプレッシャー」に公然と闘っています。国際女性デーでスピーチをしたり、人工的なルックスで人気を博すブロガーSophie Eliseソフィーエ・エリーセを批判したりと「演劇」以外の場でも活躍が目立っていますね。
リーネとウルリッケはキックボクシングをしますが、ウルリッケのパンチはとても力強い！「以前は自分自身に怒りを抱いていた」と語る彼女。しかし怒りの矛先は「自分に理想を押し付けようとする周囲へ」向けられ、そして「美しさの定義そのものを再構築」したいと続けます。美を追求するあまりKroppshysteriet「身体へのヒステリー」に陥ってしまった現代社会に対して、皮肉たっぷりのインスタでウルリッケは対抗します。
参考までに3人のインスタのURLを貼りますね。比較してみて下さ~い。
Kim Kardashian https://www.instagram.com/kimkardashian/?hl=ja
Sophie Elise https://www.instagram.com/sophieelise/
Ulrikke Falch https://www.instagram.com/ulrikkefalch/?hl=ja

「もっと美しくなりたい」「もっとグラマーに、でもスリムに」という欲望は果てしないです。
今の自分の身体を好きになる・・・これって簡単なようで難しいですね。「上を見ればキリがない」ですから。自信のなさに付け込む悪徳美容商法や、ウルリッケのように最悪、摂食障害にまで至ってしまうケースもあるでしょう。
「美」や「身体」に過剰なまでにプレッシャーをかける社会の在り方を変えない限り、悪循環は止まりません。

ありのままに

日本人女性も決して他人事ではないテーマ。「男女平等な国」ノルウェーと「後進国」日本は共通点がありますね。
日本でも放送してほしい番組が、またノルウェーから見つけました！

***********************************************************************************************
ノルウェー語レッスン7月期募集中です！　Velkommen！
「初心者クラス」はもちろん既存クラスも多数ありますので、学習経験のある方も大歓迎です！↓のURLからレッスンの詳細・お申込み・お問い合わせができます。
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursannai.htm

各回参加のセレクトレッスンは以下のスケジュールです。お申込みをお待ちしています♪
6/9（土）「ビジュアルで学ぶ初めてのノルウェー旅」
7/8（日）「超！ノルウェー語入門」
8/4（土）「ネイティブに学ぶ発音練習」
8/26（日）「ノルウェーでのファームスティとボランティア体験」
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm