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「以前もお話ししたかもしれませんが・・・」

同じ話をしないように心掛けています。「あの人、また同じ話をしてるー。くどい!」と思われたくないですよね。
それで悩ましいのがレッスンです。20年くらいノルウェー語を教えてきて、正直、誰に何を話したかなんて、ちゃんと把握できていません。
なのでレッスン中にしばしば「以前もお話ししたかもしれませんが、ノルウェー語の名詞の変化について説明しますね」と逃げ口上を繰り返すようになりました。
もし、私のモノマネをしたいという奇特な方がいれば、この「以前もお話ししたかもしれませんが」を極めることをお勧めします!

こんなにノルウェー語を教えて長いのに、今更、気づいたことがありました。
人は以前、聞いた話を忘れている可能性がある
ということです。面白い話であれば忘れていないでしょう。でもそれがノルウェー語の文法やらフレーズの説明だったら??忘れる可能性、大です!
話題の書、『英語独習法』(今井むつみ著、岩波新書)にこんな恐ろしいことが書いてありました。
「仮に教師の(あるいはテキスト)伝えたい情報が、しっかり学習者の中に”入った”としても、その情報はどのくらい正確に記憶に保持できるだろうか?完璧に理解し、納得し、感動さえした内容でも、一か月後にはほとんど詳細は覚えていないのが普通である。覚えているのは”感動した”ということくらいのことも多い。人の記憶は脆弱なのだ。

確かにーーー、と読んで膝を打ちました!
私が学ぶ側だった時、しっかりと記憶に残ったのは先生の「面白い雑談」の方で、肝心の文法説明はまるっと忘れてました。
だから、いくら自分が「文法の説明が上手にできた」と嬉しくなっても・・・はい、生徒さんの記憶に残るかどうかは別問題なんですよね。そんなもんです。

最近になって「以前もお話ししたかもしれませんが、もう一度、同じ話してもいいですか?」と言ってみたら、「同じ話、聞きたいです!」と返ってきました。
自慢話を繰り返すのは嫌がられますが、こと語学学習においては「同じ話を何度してもOK」だとわかりました♪

また同じ話??

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