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トーリル・コーヴェさん来日トークイベント開催しました!

自分が登壇するイベントよりも緊張したイベントが終わり、今は安堵の気持ちです。ノルウェー絵本『うちってやっぱりなんかへん?』の作者であるトーリル・コーヴェさんが初来日中です!最新作”Tråder“が、広島国際アニメーションフェスティバルのコンペに選ばれたからです。ちなみに「糸」を意味します。
短い東京滞在中、8/21にトークイベントを開催しました。イベント告知はこちらをご参照くださいね。

8/21、初めてトーリルさんとお連れ合いのケヴィンさん、お嬢さんのルーナさんとお会いしました。ケヴィンさんはジャズミュージシャンでトーリルさんの映画音楽を担当しています。
会場のブックハウスカフェでは、イベント前にファッション雑誌Aiの取材を受けました。オシャレすぎる媒体でもユニクロ×マリメッコのワンピースで臨むトーリルさん・・・着こなせるところがさすがです!

取材中のトーリルさん

インタビューはとても核心的な質問ばかりだったのですが、印象的なコメントとしては・・・
「ノルウェーの若者たちは同じようなファッションに身を包んでまるで制服みたいだけれども、変わっているもの異質なものを受け入れる寛容性があって興味深いです」
「アカデミー賞を受賞したノルウェー人は2人だけで、確かにノルウェーでは大きな反響でした。でも制作スタイルは受賞前と受賞後、何も変わっていません」
でしょうか・・・一つ一つの質問にとても丁寧に、真面目に考えて言葉を選んでいる姿が印象的でした。もちろん作品同様、ユーモアもたっぷり!

その後少し時間が空いたので、お茶の水駅で広島までの新幹線チケットを買ったり(トーリルさんたちのクレジットカード5枚が使えなくて焦りました!)、庶民的すぎるサイゼリアに入ってご飯食べたり、神保町の古本屋を覗いたりしました。独特な古本屋街の雰囲気に喜んでいましたね。夕方、関係者とともに打ち合わせをしてからいよいよ本番です!
通訳の前はもちろん下準備をしますが、今回はほぼぶっつけ本番・・・トーリルさんのインタビューなどをネットで読みながら「こういう表現があるんだ~」と感心しきり。ただ本番前に少しでも打ち合わせができて、対談相手の陶山恵さん(東京工芸大学)がどんな質問をしたいのかを確認できたので助かりました。
会場には、ノルウェー大使館のTom Knappskog参事官、ノルウェー語レッスンの生徒さんたち、北欧絵本イベントを開催してくださったトーキョーノーザンライツフェスティバルのスタッフの方々など知っているお顔を拝見できてほっとしました。

Knappskog参事官とともに

イベントの進行は、編集者の細江幸世さん。まずトーリルさんの紹介、それから陶山さんから「短編アニメーション映画」についてや広島国際アニメーションフェスティバルの紹介、さらにトーリルさんの映画の共同制作を担っているNFB(National Film board of Canada)の説明がありました。トーリルさんは「NFBからのサポートは確かに素晴らしいですが、実はノルウェーからも幅広いサポートを受けています。ノルウェーとカナダの両方から協力を得られているのは、とても幸運だと思います」とコメント。ノルウェーの文化予算が潤沢というのは分かっていましたが、さすが・・・とまた感心です。

それからTråderの映画を上映しました。一切セリフのない映像と控えめな音楽と効果音。登場人物も少なく、ある女性が偶然出会った子どもを守り、育て、独り立ちしていく様子を「糸」を使ってリリカルに表現しています。その後、パワーポイントで絵本を映し出し、トーリルさんがノルウェー語で細江さんが日本語で朗読をしました。実はトーリルさんの朗読は当初予定になかったのです。打ち合わせ時に「やってみませんか?」と振ったところ、最初は「必要ないわよ」とトーリルさんは及び腰でしたが、あえてお願いして実現しました。全くノルウェー語を聞いたことのない人にはどんな風に聞こえたのか・・・?でもやはりノルウェー語の朗読があって良かったですね。

それから陶山さんとトーリルさんの対談が始まりました。
トーリルさんはしばしばアニメーション映画を製作してから、絵本を出版されます。その点についてこんな風に語っていました。
「アニメーション映画では、音楽や効果音、そしてニュアンスを含んだ動きを使って表現ができます。”Tråder”の子どもの動きは、娘が小さかった時の様子が反映されていますね。音楽は、ミュージシャンの夫が良きパートナーとして映画製作に深く関わってくれています。映画の後に絵本を作るのはとても楽しい作業です。映画では盛り込めなかったディテールを絵本では描けますから。」と、『うちってやっぱりなんかへん?』で描かれたマリメッコの洋服のページや、主人公わたしとお隣さんの家の間取りのページを例に見せてくれました。

ディテールの妙

今後の製作プランとして、10月に新作絵本がノルウェーで出版、また短編映画の脚本にも取り掛かっているとのことでした。とても楽しみですねー。
質疑応答では思いのほかたくさんの質問をいただき、やはり真剣に答えるトーリルさん。テキトーって言葉はないのだなぁと感心です。絵本のサイン会の時も、それぞれのお名前をアルファベットで書いてもらったのですが「日本人の名前はきれいね」とおっしゃってました・・・そうなんですね??

長時間付き合って下さったケヴィンさんとルーナさん。きっと時差ボケで辛かったと思うのですが、3人が仲良く支え合っている姿が素敵で・・・帰路につく姿は心に残りました。
イベント終了後、陶山さんの言葉「トーリルさんはアニメーションについてほぼ独学で、1年しか勉強してないなんて信じらない。それであれだけの作品を作るなんて・・・」を聞いて、トーリルさんがノルウェーの取材で答えていた言葉を思い出します。「小さな頃から父の建築事務所によく出入りして、空間についての意識が培われていました。」トーリルさんはアニメーションや漫画よりも、建築学が現在の作品作りに影響を与えたようです。

8/23から始まる広島国際アニメーションフェスティバルでの上映と反応が楽しみですね!
ちなみに本イベントのアンケートでは「同じ作品でも表現媒体が違うことで楽しみが違ってくるのでお話を伺えて良かった」とアニメーションと絵本の比較について興味を持たれたコメントが目立ちました。
ぜひ”Tråder”の邦訳も期待します!というコメントもあったので実現させたいですね。イベントに参加してくださった皆さま、関係者の皆さま、本当にありがとうございました!

8/27に広島国際アニメーションフェスティバルの受賞結果が発表され、優秀賞に選出されました!!受賞理由は「すっきりとしたキャラクターデザインとアニメーションが美しいこの作品は、母と子の永遠の絆を描いています。一生の愛、学び、手元から別の世界へ送り出す決意をシンプルかつ非常にパワフルに表現した作品です。」とのことでした。Gratulerer!おめでとうございます!http://hiroanim.org/ja2018/04compe/04-6.php

トーリルさんの著作

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