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「歌うように話す」イントネーション

ノルウェー語を始めたばかりの生徒さんが「ノルウェー語って疑問文でもないのに、語尾が上がるんですね」と驚くことがあります。そうそう、そうなんですー。
ノルウェー語のそれぞれの単語には、Tonem(トネーム)と呼ばれる音の高低があり、文章全体がメロディアスな響きになります。すると”Nordmenn synger når de snakker“「歌うように話す」言葉のできあがりー。

このTonemは2種類。下から上にあがるTonem1、一回下がってまた上がるTonem2です。最初のノルウェー留学時に使った”Norsk fonetikk for utlendinger“(Åse-Berit Strandskogen著)という本の中で図解されています。

Tonemの解説

ちなみにノルウェー人は、Tonemなんて意識せずに会話をしています。しかーし、外国人学習者は「えっとbønnerTonemの1それとも2?」と悩むことになります・・・オスロ大学の音声学の授業で、各単語のTonemを正確につける課題を出された時には「もういや!」と泣きたい思いになりましたね・・・(遠い目)。

・・・と外国人にとっては難しいノルウェー語のTonem。でもここを意識すると、ぐっと自然なノルウェー語に聞こえてしまうのです!
昨夏、オスロ大学サマースクール(ISS)に短期留学した際、”En frosk i fjorden“(Lorelou Desjardins著)という本を読みました。直訳すると”フィヨルドのカエル”。フランス人女性がノルウェーに移住し、様々な異文化体験をユーモラスかつエスプリヌーボーに描いた作品です。

フランス人=カエルだそうです

フランス語を母語とする作者は、ノルウェー語のイントネーションに注目します。オスロのイントネーションは「各単語と文章の終わりに”ハッピー風味”を加える」と分析し、実践したのです。
以下のフレーズが例になっていました。

“Sier du DET?” 「ホント?」
“Så spennENDE“ 「わくわくする」
“HyggeLIG“ 「嬉しい」

一読、爆笑しましたー。
そうなんです、これらのセンテンスはなイントネーションになります。それほどノルウェー語が上手でない人でも、その”ハッピー尻上がり”イントネーションにすることで、自然なノルウェー語に聞こえちゃいますね。逆にノルウェー語の語彙は豊富で文法もばっちりな人でも、イントネーションが単調だと「ちょっと違う?」と感じます。
NRKの人気トーク番組”Nytt på nytt“の映像です。どうでしょう、アップダウン豊かなイントネーションはわかりますか?

前述のオスロ大学サマースクールに参加中、発音と音声学の講義で「Tonemの難しさ」が強調されていました(こちらのブログをご参照ください)。
私が講師をつとめるノルウェー語レッスンでも「イントネーションを真似ることの大切さ」を伝えています。
モノマネ上等!精神でトライしてみましょうー。
リスニングの時もイントネーションに注意を払って下さい。
そして、Tonemなど意識しなくなった時、より自然なノルウェー語になっているハズです。La oss prøve!

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