前回のブログで「レッスンで使うノルウェー語絵本」を紹介しました。
ノルウェー語の勉強を続けていると、レッスンで使うような「教科書然」としたテキスト以外のものを読んでみたい、という気持ちが芽生えてくると思います。ノルウェー人の友人からも「たくさんのテキストを読むことが大事」とアドバイスをされました。
今まで私が読んできた本の中から、お勧めのノルウェー語のテキストを挙げますので、ご参考になれば嬉しいです。
●面白い本 ”Kurt”シリーズ
ノルウェーを代表する作家Erlend Loeは、子ども向けの本も書いています。イラストは、映画監督やミュージシャンでも人気があるKim Hiorthøy。Erlend Loeの文体はとことんミニマリズム。短くて簡潔なので、「これなら読めるかも?」と感じちゃいますね。しかも内容は面白い!
物語は、主人公Kurtとその家族を中心に、珍事件が起きて、紆余曲折あるけれども最後はめでたしめでたし、というパターンです。シリーズ中には、カルト宗教や人種差別などシリアスな問題を取り上げている作品がありますが、Erlend Loeの時にブラックなユーモアセンスが笑いを誘います。昨年のオスロ大学サマースクールで、アメリカの先生もKurtシリーズを教材に使っていると教えてくれました。
●YA文学(ヤングアダルト)
ノルウェーにもYA本はあります!ヤングアダルトな内容には興味が持てそうにない・・・と感じるかもしれませんが、ノルウェーのYAは読みごたえがありますよ。
昨年読んだ”Hvis du lyver“「もし君が嘘をついているなら」(Thomas Marco Blatt著)では、少し年上の女の子に恋をする少女が主人公。同性に恋することで生じる悩みや葛藤、そして喜びが描かれています。2014年の作品なので、言葉遣いやライフスタイルも「現代ノルウェー」が反映されていて、興味深いです。主人公に感情移入しながら、ページをめくる手が止まらないかも?
●短編小説
ノルウェー語で短編は”novelle“と言います(小説はroman)。ボリュームが少なくちゃんとオチがついている場合が多いので、読んでみよう!という気持ちになりますね。
ノルウェーで悪く言う人はいない作家Lays Saabye Christensenの”Den misunnelige frisøren“「嫉妬ぶかい床屋」がお勧めです。昔気質で時代遅れの床屋と、やはり昔気質で時代遅れの忠実なお客たちが登場。主人公の中年男性は、習慣としてこの床屋に通い続けていましたが、ある日、ふとしたきっかけで別のおしゃれ美容院へ行ってしまいます。床屋を裏切った主人公が味わう恐怖の体験とは??
1997年出版の本ですが、最近、読み直しました。いやー、面白かったですね。90年代のレンタルビデオ店の描写は懐かしく、本書に登場する「さえない中年男性」描写は冴えわたっています。簡潔ながらも豊かな文学&ノルウェー語体験ができますよ。
●日本語がある本
回答集のない問題集を解くのは大変です。ということで、日本語テキストがあるノルウェー語を読むのはいかがでしょう?
ミステリ作家Jo Nesbø(日本語表記はジョー・ネスボ)のファンの生徒さんが、ノルウェーで原書を買ったそうですが、読み進めるのが大変とのこと。邦訳がすでに出ている本でトライすることをお勧めしました。邦訳のあるノルウェー語の本でも良し、日本語→ノルウェー語に翻訳されたテキストを読むのも面白いです!
25年前の初ノルウェー留学時、吉本ばななの『キッチン』のノルウェー語版”Kjøkken“を入手し、眠る前に読んでいました。「なるほど、こういうノルウェー語になるのねー」と参考になりましたね。ノルウェー人翻訳家たちによるYonda!Yonda!というサイトが参考になります。
いかがでしょうか?
いろいろな本に触れることで、ノルウェー語力UP!さらにノルウェーの様々な面が垣間見ることができます。リストアップした本は、ホントに少ないですけど、興味の沸く作品がありますように~。
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