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久しぶりのリアルイベント!

オンラインな日々が続いています。レッスンもイベントも。
ですが、リアルにこだわった講演会がありました。主催者の「読書の会」さんは「本と出会う読書サロン」を運営されていて、その講演会を6/15にセッティングをしてくださったのですが、コロナに負けました・・・。「諦めずに必ずやりましょう!」とありがたいお言葉をいただき、無事、11/16に「ノルウェー語を仕事にすること 語学から翻訳まで」という講演を千代田図書館にて開催することができました~。

講演当日、会場へ向かうとありがたいことにお客様が!実は「申込不要」イベントだったので、どれくらいの方が見えるのか不安だったのです。あまりに不安で夫を連れていき、サクラになってもらったほどです。
1時間の講演でお話ししたのはこんな感じです。
1.ノルウェーに興味をもったきっかけ
2.ノルウェー留学談
3.オスロ大学図書館の紹介
4.帰国後の仕事話~語学編~
5. 刊行した語学書のこと
6.刊行した翻訳絵本のこと
7.オスロのお気に入りの書店
8.質疑応答

会場はゆったりとしたソファーや椅子が配置され、リラックスしてお話しすることができました。
1992年、トロムソのオーロラツアーに参加したのがそもそものきっかけなのですが、もう29年前なんですよね。会場には生まれていなかった方もいたはずです。「思えば遠くに来たもんだ」と感慨深くなりました。
ノルウェー留学について語るのは久しぶりでしたね。短期長期5回の留学は「アジア系オンリーワン」ばかりの環境でした。タイトなカリキュラムやハードな講義の日々。今ならば「もう無理です」と言いたくなりますが、集中して勉強できた環境に恵まれ感謝しています。さらに学生寮で交流があったノルウェー人学生たちの「生態」についてもお話ししました。

千代田図書館

たくさんのお客さん!

2000年に帰国後の道のりも紆余曲折がありました。会社員とノルウェー語の仕事の掛け持ちを経て、完全フリーランスになるまでの経緯に触れました。ギリギリなスケジュールで動いていた当時。今ならば「もう無理です」と言いたくなりますが、貴重な出会いに恵まれ感謝しています。2003年に初めての語学書『ゼロから学ぶノルウェー語』(旧『語学王ノルウェー語』、三修社)を出版し、『ノルウェー語のしくみ《新版》』『ニューエクスプレスプラス ノルウェー語』といった語学書を手がけました。語学書が持つ「取っつきにくくてお堅い」イメージを打破したくて、どの本でも「わかりやすさ、面白さ」を目指したとお話ししました。

1997年くらいから語学学校でノルウェー語を教える仕事を始めていましたが、2007年から「ノルウェー夢ネット主催のノルウェー語講座」を開始しました。「一体どんな理由でノルウェー語を始める方がいるんですか?」とよく聞かれますので、よくある受講動機や珍しい受講動機(ノルウェーの騎馬警官が好きだからという動機)をご紹介しました。レッスン開始時から一貫して大切にしていることは「言葉を通じてノルウェー社会、人々の価値観、生活に触れてもらうこと」とお話ししました(ええーホントですかーと生徒さんからツッコミ入りそうです)。ここ数年はノルウェーのニュース動画を一緒に視聴しながら、その実現を目指しています!

実績は少ないのですが、翻訳の仕事についてもお話ししました。
2010年にNORLA(ノルウェー海外文学普及協会)主催の翻訳セミナーに参加し、グロー・ダーレさんの絵本”Sinna Mann”のプレゼンに衝撃を受けた体験がスタートだったと思います。「まさかDVという重いテーマを絵本で描けるなんて・・・」と驚き、それから日本での翻訳出版実現に向けて動き、2011年に『パパと怒り鬼ー話してごらん、だれかにー』(グロー・ダーレ文、スヴァイン・ニーフース絵、大島かおり&青木順子訳、ひさかたチャイルド社)として刊行できた経緯をお話ししました。

留学を終えてからも、ほぼ毎年ノルウェーを旅して書店に立ち寄るのが楽しみです。オスロの書店で見つけたトーリル・コーヴェさんの絵本に魅了され、2017年『うちってやっぱりなんかへん?』(トーリル・コーヴェ作、青木順子訳、偕成社)を翻訳出版できました(と書くと簡単に聞こえますが、持ち込み企画を通すのは大変でした・・・)。会場には、ひるねこBOOKSさんがいらっしゃったのですが、本書の翻訳作業や出版後の販促で大変お世話になったので、改めてお礼を申し上げました。

そうなんです、本当にいろいろな方に助けられたのでした!『わたしの糸』(トーリル・コーヴェ作、西村書店、2019年)が翻訳出版できたのは編集者である植村志保理さんのご尽力が大きいのですが、今回の講演の機会を与えて下さったのも植村さんなのです。原作短編アニメーション”Threads”を少し上映しましたが、皆さんがスクリーンを食い入るように見つめていたのが印象的でした(私の準備不足で上映に際し、千代田図書館のスタッフ様のお手を煩わせてごめんなさい!)。マイナー言語の翻訳の良さの一つに「著者との距離の近さ」にも触れました。ノルウェー語を使う日本人が希少価値に思えるのか、創作までの経緯を教えて下さったり、質問をしても丁寧に答えてもらいました。

千代田図書館

わたしの糸

質疑応答は会場の皆さんに紙に書いてもらって答える形で進めました。裏返した紙をめくるのはちょっとしたドキドキでしたねー。「ノルウェーでびっくりしたこと」という質問に「田舎の空港だとタクシーも止まっていなくて驚いた」と答えたら軽い笑いが起きました。こうしてほぼきっかり1時間で講演会は終了しました。ノルウェー好きな方は優しいのでしょうね。終始、和やかで話しやすい雰囲気に包まれ、心から「リアルイベントはいいなぁ」と感じました。

アンケートには「ノルウェーにさらに興味が増しました。第2弾を期待」「ノルウェーのお話だけでなく青木さんご本人がどのような道を歩んでこられたのか雑談混じりに聞けたのが良かったです。とても素晴らしい方なのですがどこか親しみやすさがあって素敵です。」など過分なお褒め言葉をいただき、感涙です・・・。読書の会の皆さま、千代田図書館の皆さま、そして参加して下さった皆さま、Tusen takk! 

追伸:千代田図書館さんによるイベントレポートブログ「ちよぴたブログ」は必読です!とても素敵にまとめて下さいました♪

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