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新刊語学書の録音!

現在、来年刊行予定の新しい語学書に取り組んでいます。「新しい語学書を作ってみませんか?」とお優しい編集者さんにお声がけをいただき、企画書を作りました。幸い企画書は社内の会議で無事に通り、それから原稿作成、直し、校正、修正など作業を進めてきました。と書くとスムーズに聞こえますが、2年くらい時間かかってますー。

本書は「ノルウェーの食習慣」「ノルウェーの政治」「サーミ人」「ムンク」「男女平等」など18のテーマごとにノルウェー語を学ぶ趣向になっています。会話スキットは少なく読み物が中心です。
さて語学書といえば音声データがつきものですよね。ノルウェー人の男性・女性ナレーターが必要なのですが、ノルウェー人ならば誰でもいいという訳ではありません。ノルウェーはたくさんの方言がありますが、なるべくオスロ(および東ノルウェー)の方言を話し、東京近郊在住のノルウェー人求む・・・という条件なのです。

Skrik

Skrik≪叫び≫

幸いノルウェー人女性は当てがありました。さて男性はどうしよう・・・とノルウェー大使館に当該男性をご存知ないですか?と尋ねたところ、研修生のAwaleさんがオスロ出身かつ美声の持ち主と推薦していただきました。ご本人にコンタクトを取ってみると「面白そう」と前向きなお返事。そこでノルウェー人女性に連絡してみると「録音時期にはビザが切れて日本にいない」との返事・・・ええーーー!焦ってAwaleさんに「誰か条件に当てはまるノルウェー人女性を知らない?」と尋ねると、早速、紹介してくれました。ああ、良かったー!とメールを送ってみると「私はオスロ出身でオスロ育ちだけど、父親が南ノルウェー出身でrの発音がオスロとは違うの」との返事・・・残念ですがこちらの方にお願いするのは諦めました。さてどうしたものかと考えてみましたが・・・いました!生徒さんのノルウェー人の奥さんです。確かオスロ近郊出身だったはず。生徒さんを通じて奥さんのTonjeさんとコンタクトを取り、ご快諾をいただきました。あああーーー、ノルウェー人探しは楽ではありません。

2023年11月某日、録音の日です。AwaleさんともTonjeさんとも初対面。緊張してきましたー。編集者の西川さんと待ち合わせ場所で立っていると2人が現れました。Hyggelig!と挨拶を交わして録音スタジオへ向かいます。ブースに入る前に、注意事項の確認です。今までの経験からナレーターの読む速度がどんどん早くなってしまうことがわかっていました。なので2人には「ゆっくり、そしてはっきり読んでくださいね」とお願いします。

TonjeさんとAwaleさん

TonjeさんとAwaleさん

いざ録音スタジオへ。エンジニアの方も加わり、緊張感さらにUP!AwaleTonjeがブースに入ります。まずテストで原稿を読んでもらいました。おおーーー、二人とも美声です!と私は喜んでいたのですが、エンジニアさんは「原稿用紙に触らないでください」と冷静な指示。私は偉そうにプロデューサー席に着きます。2人が正しく読み上げるかのチェックをしなくてはいけません。

プロデューサーきどり

プロデューサーきどり

録音がスタートしました!発音ページから読み始めますが、ちょっとスピードが速いかもと感じました。西川さんに確認すると「速いですね」と同意見だったので、AwaleTonjeに「もっとゆっくり読んでください」とお願いします。ゆっくり過ぎてもアレだし、この塩梅が難しいのです。他にも発音辞書では無音の子音を発音した箇所があり、「ここは発音しないでね」とお願いします。日本人がノルウェー人に発音で注意するなんて・・・僭越至極でございます。とはいえ、2人ともミスは少なく録音は順調に進みました。途中、休憩をはさみます。AwaleTonjeも「ああーーー、気が張り詰めたーーー」とブースから出てきました。こんな体験は初めてですし、いわば「ノルウェー代表」として臨んでいるので、当然の反応でしょう。

Pause!

Pause!(休憩)

さて後半。TonjeAwaleが原稿にミスがあったことに気付いてくれて、その場で修正した箇所がありました。いやーーー、何度も確認したはずなのにまだ間違いがあるのだなぁと気を引き締めます。そんなヒヤっとする瞬間がありつつ、最終ページまで進みました。終了です!しかーし、1か所、違和感が残りました。2人に確認すると、やはり私にミスがあったことがわかり、読み直してもらいました。Tusen takk! Bra jobba!と録音はとうとう終わりましたー!

語学書の刊行に向けてまだ作業は残っていますが、ノルウェー愛&ノルウェー語愛に満ちたテキストですので、どうか期待してお待ちください♪

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