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不幸な単語は蜜の味

ノルウェーのメディアサイトを覗いていると、「文字が踊っている」感がある単語が幾つかあります。
共通点は「実は不幸な単語」でしょうか。でも発信側からの「ウキウキ感」が透けて見えるんですよね~。例を挙げます。

grilleは元々「グリルする」という意味の動詞です。ノルウェー人が大好きなバーベキューもgrilleを使いますね。
そこから転じて「ひどい目にあう、集中砲火される、炎上する」という意味も含まれます。日本のSNSやメディアでも「炎上」が盛んですが、ノルウェーでもいろいろな人がgrilleされていますね。

公園でGrille=BBQをしているノルウェー人

Googleで、財務大臣兼進歩党(FrP)党首のSiv Jensen grillet (grilleの受動態)と検索すると・・・23300件ヒットしました! 反移民政策などで知られる同党党首なので、何かと話題の人です。こんな記事にアクセスできました。

https://www.nettavisen.no/politikk/siv-jensen-grillet-om-ungdomsledighet/3422791880.html

たとえノルウェー語はわからなくても、Siv Jensenが批判され焼かれている状態をウキウキで伝えているのが伝わりますか?次の単語に行きます!

slakteは「屠殺する」を意味する動詞です。そこから「酷評される、メッタ斬り」という意味に転じるのですが・・・。この単語が使われている場合も、テンションUPが伝わってきますね。
Slaket film“「酷評 映画」でGoogle検索すると72400ヒット。酷評されてる映画ばっかり?今までの経験則から「スウェーデンでslaktされたノルウェー映画」が特にウキウキしていますね~。

スウェーデンの雑誌

ノルウェー人、そんなにスウェーデン人にダメ出しされたいのか!自虐にも程があります。”Norsk film slaktet i Sverige”「スウェーデンで酷評されたノルウェー映画」で検索すると98000ヒットって何なのでしょうか?日本でも公開されたあの大作たちが軒並みスウェーデンではslakteされていたとは・・・。多分、スウェーデンでは話題にもなっていない現実に悲哀を感じます。一応、それらの一つをリンクで貼っておきますね。

https://www.tv2.no/a/9077316

さて、名詞に行きます。それこそいーっぱいありますが、ノルウェー夢ネットプレゼンツで選びましょう~。
katastrofeは「災害」を意味します。自然災害だけではなく、人々や団体などに降りかかった「災難」についても使われる場合、ウキウキ感がありますね。会社の業績悪化を伝える時の頻出単語ですが「人の不幸ってメシウマ」感が透けて見えるのは万国共通、と感じてしまいます。例えばこの記事・・・

https://www.aftenposten.no/okonomi/i/paK6w/Katastrofe-februar-for-Rema-1000

ノルウェー語や他のゲルマン語の特徴である「合成語」が見出しに使われています。”Katastrofe-februar“「壊滅的な2月」とでも訳しますか。内容は、ノルウェーのスーパーREMA1000の売り上げが悲惨で2月は大変!です。REMA1000にとって「不都合な真実」がこれでもかって列挙されていますね~。で、やっぱり発信側からのウキウキ感、さらに読者側もウキウキが伝染する様子が想像できます。

もちろんノルウェーのメディアでも、lykkelig「幸せな」、hyggelig「ヒュッゲな」、koselig「快適な」、fred「平和」といった「幸せ単語」を見かけます。
先に列挙した「不幸な単語」と「純粋な幸せ単語」は、両方ともウキウキしているのですが、前者の方が「下世話」要素が加わっているのかもしれませんね~。

ノルウェー語レッスンでは、前回のブログで紹介したノルウェーのテレビやラジオに加えて、サイトも覗いてみてくださいね~とお勧めしています。まだノルウェー語を読むのが難しいレベルであれば、ヘッドラインをチェックして「ウキウキする単語はないか?」とセンサーを働かせてみましょう~。日本ほどではないですが、ノルウェーのメディアもなかなか「不幸を楽しむ」要素があることに気づくハズです。

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