新しいノートPCを購入してから、ノルウェー語レッスンに活用しています。
ブログでも取り上げたノルウェー王室の公式サイト・子ども向けサイトは生徒さんたちも感動していました!
テレビに繋いで動画を見ながら、リスニング練習用の素材を探していたら・・・いいのがありました!ラジオでも配信でも偏愛しているノルウェー国営放送(NRK)の子ども向けチャンネルです。
多チャンネルの時代となり、NRKは専用の子ども向けチェンネルNRK Superがあります。今までちゃんと視聴をしたことがなかったのですが、いい番組がありました。Supernyttです!敢えて訳せば「子どもニュース」でしょうか。毎日、更新されています。
9分くらいの長さで、その日の特集、天気予報(毎日、取り上げる町が違うので地理の勉強にもなる)、びっくりニュースなどで構成。ノルウェー語の字幕がついています。
極端な方言がない明瞭なノルウェー語で話してくれます。スピードは若干、早く感じるかもしれません。難しい単語は使わずに、補足的に説明してくれます。子ども向けの配慮がなされていますね。
2/6はSamefolkets dag「サーミ人の日」ということで、特集が組まれました。「どうやってサーミの日が設けられたのか?」が、資料画像とともに説明されます。さらにサーミの子どもたちにインタビューをするのですが、好きな食べ物(bidos!)といったほのぼのネタ以外にも「ノルウェーのナショナルデー5/17は祝日なのにサーミの日は学校がお休みにならないことはどう思う?」とかなり突っ込んだ質問をしています。NRK攻めますねー。それに対するサーミの子どもたちの答えも聞くことができて興味深い内容でした。
子ども向けニュースは、徹底して子ども目線の構成になっています。
2月の2週目はuke6で、seksualundervisning「性教育」が学校で行われていました(デンマークやスウェーデンも同じ試みだそうですね)。Supernyttでは毎日、性教育の授業内容を紹介し、子どもたちに意見や感想を聞いたり、さらに解説を加えています。
中でも印象的だったのはovergrep「虐待」について取り上げた回です。「不快なことをされたらどうすればいいのか?」の問いに子どもたちはそれぞれ答えますが、キャスターが「何が不快に感じるかは個人差があるけれども、嫌な体験をしたら信頼できる大人に話してね。でも直接話せないようだったら、匿名で”alarmtelefon”緊急電話”に相談してみよう」と呼びかけていました。日本でも児童虐待が大きくクローズアップされていますが、ノルウェーでも苦しむ子どもはいます。子どもニュースが、苦しむ子どもへ仲介の役割を果たしていることに感心しました。
ノルウェーの普通のニュース番組は、日本に比べて海外ニュースの割合が多いです。それはSupernyttも同じですね。
政情不安なベネズエラを伝えるときも「大統領と反大統領派」について、すごーく分かりやすく説明し、そしてノルウェーにベネズエラから逃げてきた人々についても伝えます。
子ども目線の海外ニュースとしては、シリアの子どもたちの状況や「子どもたちの環境運動」が目立ちました。スウェーデンの女の子が「大人たちの環境運動が十分ではない」と学校をストライキして、注目を集めています。彼女の影響を受け、たくさんの子どもたちが学校を休んでベルギーへ集結。そこでデモ行進をした様子をニュースは伝えます。もちろんノルウェーの子どもたちにも影響を与えています。日本との差を大きく感じましたね。
さらにさらに。NRK Superで「作りが素晴らしい!」と感動した点があります。
右上にサーミの旗マークがあるのがわかりますか?そこをクリックするとサーミ語放送の番組がずらっと並びます。音声はサーミ語、字幕はノルウェー語です。
他にも視覚障害者用の音声ガイド番組、手話番組も見つけるのが簡単なんですよ。ホント、よくできていますよねー。
ノルウェー語レッスンのいろいろなクラスで紹介・視聴をしました。とても好評だったのですが「子どもが政治や社会に関心を持ついい番組ですけど、日本はどうなんでしょう?」という質問がありました。
池上彰さんはかつてNHKの子どもニュースキャスターで人気者になりましたが、もうその番組はありません。探してみましたが、同じような番組が見つけられず・・・「若者は政治に無関心」と批判は簡単ですが、子ども目線のニュース媒体を大人は作っているのかなーと考えてしまいます。
面白くて、わかりやすくて勉強になる。子どもニュースに見事、ハマりました!
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