7/25（水）「ノルウェー語で国歌を唄う会」は無事に終了しました！当日までの過程や、合唱のレポートを記します。

会場前案内

そもそものきっかけは２つあります。
ノルウェーではKorと呼ばれるコーラスは、生活に根付いて気軽に人々が楽しんでいます。友達がKorのメンバーで練習を見学させてもらった時、カジュアルに歌を楽しんでいる様子に憧れていました。
そして決定打は・・・今年のノルウェーナショナルデーのお祝いに参加したことです（過去ブログから参照ください）。その際、ノルウェー国歌”Ja,vi elsker dette landet“「私たちはこの国を愛す」を唄ったのですが、言葉にできないほど感動しました。唄うのがこんなに楽しいなんて・・・当時、鬱々とした日々だったのですが「自分、小さかったなぁ」と思ったほどです。しかーし、残念ながらきちんと唄えていない、歌詞も曖昧。うーむ、これはきちんと唄えるようになりたいぞ！と妄想を始めます。

現実は・・・ノルウェー国歌をノルウェー語で唄う合唱グループは見つけられません。じゃあ自分で始めればいい？と思いついて、まず講師はナショナルデーでもピアノ演奏をしていたMaria=マリアさんに「こういう会をやりたい」と相談したら講師を快諾してくれました！会場は、長年お付き合いがある田邉英利子さんが主宰されているミュージックギャラリーアリエッタしかない！と思って、泣きつくようにお願いしてやはりご快諾をいただきました。妄想から暴走モードに変貌です！そこから告知を開始。人なんて来るのかしら？？と思っていましたが、少しずつ増えていき最終的には15名のお申込みをいただきました！

そして当日。続々と皆さんが集まっていきます。現役のノルウェー語レッスン生徒さんもいれば、久しぶりに会う元生徒さん（嬉しかった！）、初対面の方々・・・男性は3名でしたね。マリアさんとはごく短い打ち合わせしかできなかったので、進行が若干不安でしたが、それは杞憂でした。
私は冒頭の挨拶で「ノルウェー国歌とナショナルデーの関連性」に触れました。続いてマリアさんがノルウェー語と日本語で挨拶し、そこからすぐに歌の練習をするのかと思いきや「立って身体を動かしましょう」と上手すぎる日本語で呼びかけます。それから、肩甲骨・首などぐるぐると動かす柔軟体操がスタート。「合唱は運動？？」と楽しくなったのもつかの間、次のエクササイズはノルウェー語でen, to, tre, fire, fem, seks, sju, åtte「1、2，3，4，5，6，7，8」と言いながら、右手、左手、腰、右足、左足をブラブラと動かしていきます。おおー、もっと楽しい！この予備運動は、マリアさんは小さな頃から親しんできたノルウェースタイルのようです。参加はしたことないのですが、演劇ワークショップってこんな感じなのかな？と想像します。

動かして！

これもエクササイズ

一同着席。1番～8番まで歌詞はありますが、1番と7番を練習しましょうとマリアさん（さすがに8番まで唄える人は稀だそうです）。
軽く発声練習で、ウォーミングアップ。おお、合唱だ～と盛り上がります。
ノルウェー語ができない人が多かったのですが、マリアさんがグランドピアノを弾きつつ、とても澄んだ美しい声で少しずつお手本のフレーズを唄ってくれました。それからみんなで繰り返し、マリアさんが「発音」や「ここは強く、弱く」と説明してくれます。とても良かったのは、国歌の背景に触れて下さったこと。ノルウェーは長くデンマークやスウェーデンの支配下に置かれ、ようやく勝ち得た独立は1905年。かなり遅いのです。歌詞の意味を教えて頂くと「なぜここまでストレートに祖国愛の内容なの？」とノルウェーになじみのない方でも理解できるると思いました。あと歌詞の意味が分かった方が、気持ちも入りますよねー。

完璧すぎる日本語のマリアさん・・・

マリアさんの褒め上手、励まし上手な教え方と皆さんの熱意があいまって、1番の歌詞は割合と早く唄えるようになりました！7番の歌詞の練習を始めます。またもや祖国愛に満ち溢れた歌詞・・・。
皆さんは本当にお上手だったのですが、マリアさんから注意があったのはこんなことでした。
・巻き舌ｒの練習⇒歌の場合は思いっきり巻く
・y, o, ø, kj, skjの発音
・発音しない子音に注意
発音については私が補足で説明を加えました。日本語にはない音なので難しいですね・・・マリアさん自身が文字をホワイトボードに書いて、みんなで練習をしました。

発音学的にも興味深い練習

休憩後、マリアさんは「ノルウェーらしい音階の練習をします。民族音楽は5度の音階が多いんですよ」とピアノで5度違う音階を弾いてくれました。確かに！ノルウェーの民族音楽のような響きです。
右側、左側に座っている人がそれぞれの音階で声を出していくと・・・ノルウェーらしい音階が再現されていきます！

5度音階練習

7番の練習をさらに続けてから、いよいよ1番と7番を通しで唄います。ユニゾンで響く力強い歌声。主催者自身がとても楽しんでいました！声を思いっきり出して唄う体験ってそうそうないかと思うのですが、こんなにも気持ちがいいとは・・・しかもノルウェー語です！
終了時間近く、最後に通しで唄いました。それから自然と拍手が鳴り響き、マリアさんも”Så gøy!!”「とても楽しい！」とおっしゃってくれます。マリアさんにノルウェー語でお礼を言いたいなーと考えて、ホワイトボードにTusen takk, Maria！と書きました。みんなで声を揃えてお礼を言います。マリアさんも嬉しそう～、皆さんも嬉しそう～。主催者は終わりの挨拶をしました。「正直、次回以降のことは考えていませんでした。定期的にスケジュールを決めて集まるのではなくて、今日のように練習曲を決めて、都度参加を募るスタイルがいいかと思っています。もし参加されたければぜひまたお越しください！」と皆さんにお礼を申し上げます。
ノルウェー語レッスンも「自分が受講者だったら」という気持ちでスタイルを決めましたが、合唱も「合唱団」というフォーマルなものではなく、限りなくフレキシブルに開催できればいいのかな？とぼんやり考えています。カジュアルに楽しくをモットーに。

唄うのって楽しい！

終了後、マリアさんとお話する人、ノルウェー留学経験者やこれから行く人、いろいろと輪ができます。日本でノルウェーに関わりのある人は少ないから「出会いの場」にもなるのかな？と思いました。
厳しい暑さの中、お越しくださった皆さま、マリアさん、そしてミュージックギャラリーアリエッタの田邉先生、事務局として助けてくれたねんねんさん、Tusen takk skal dere ha!です～。

理想的な先生のマリアさん