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『テーマで学ぶノルウェー語』刊行記念トークショー!

久しぶりの単独トークショー。2/9『テーマで学ぶノルウェー語』(白水社)刊行記念トークショーを谷中ひるねこBOOKSさんで行いました!

まずはサイン!

トークショー開催前に参加者の皆さん+ネットでご注文分の合わせて32冊にサインをしました。『うちってやっぱりなんかへん?』(トーリル・コーヴェ作、偕成社)の出版記念イベントの際に「きれいな絵本に己のサインで汚すのは気が引ける・・・」と可愛いノルウェー夢ネットスタンプを特注しました。久しぶりに夢ネットスタンプを使う機会に恵まれてありがたいですー。

本とスタンプ

『テーマで学ぶノルウェー語』とスタンプ

サイン

夢ネットスタンプのサイン

第一部 出版までのストーリー

定員10名のこじんまりとした集いでしたが、久々単独トークショーの身としては心地よい規模でした。慈愛に満ちた雰囲気のお客さんたちが集まり、トークショー開始。
第一部では”Veien til boklanseringen”「出版までの道のり」と題して、ノルウェーの歴史的トピックスと絡めてお話しました。『テーマで学ぶノルウェー語』の96ページご参照ください。
1.Istiden 氷河期
2.Issmelte 氷河融解
3.Steinalder 石器時代
4.Svartedauden 黒死病
5.Dansketiden デンマーク時代
6.Den lutherske reformasjonen ルターの宗教改革
7.Unionen med Sverige スウェーデン連合時代
8.Selvstendig! 独立!
9.Vikingtida ヴァイキング時代

このお話をまとめるに当たり、編集者の西川さんとのメールおよび自分の日記をさかのぼって調べました。「『ニューエクスプレスプラスノルウェー語』を終えた読者向けの語学書を作りませんか?」とお声がけいただいたのが2021年5月なんです。Tida flyr!「時が経つのは早い!」と改めてびっくりしました。昔、ネット書店の自著ページに「マイナー言語は初心者向けの語学書しか存在しない宿命」といった趣旨の口コミを書かれた苦い思い出がありました。ですから、西川さんからのお申し出はとても嬉しかったのですが、同時にシリーズ物以外の語学書をゼロから生み出すことができるのか?と不安がありました。

トークショー

慈愛に満ちた空間♡

幸い、企画は社内会議を通り、さぁ書くぞーーーとなったのが2021年12月末。まずはノルウェー語テキストを必死に書いていきました。各課のトップがノルウェー語テキストなのですが、各課のキモなので早い段階でネイティブチェッカーを探しました。以前のブログにも登場したHans先生が名乗りを上げてくれましたが、とても丁寧にチェックしていただき勉強になりました。しかーし、私にとってのSvartedauden「黒死病」が訪れます・・・両親の介護にまつわる人間関係に疲弊→抑うつ→パニック発作を起こしてしまいました。Hjelp! メンタル不調期に語学書の執筆は辛くもあり、でも救いでもありました。当時の日記に「書いている方が精神衛生上、良い」と記されていたのです。

執筆に時間はかかりましたが、2023年8月、ついに初校ゲラが届きました!そこからは動きがスピーディーになっていきます。第二校、録音、表紙デザイン、タイトル決定!12月にはひるねこBOOKSさんにトークショー開催を打診し、ご快諾いただきました。思わぬ入院がありましたが、幸いなことに本の作業は終えていて、刊行作業に支障はありませんでした・・・Kjempebra!

第二部 内容について

第二部では『テーマで学ぶノルウェー語』の中身についてお話しました。
●はじめに
こんな文章で始まっています。「ノルウェー語をはじめとした”その他の外国語”に分類される言葉を勉強しようとすると、様々な壁が存在します。そうした壁のひとつ”初心者向けの学習書しかない”に応えようと企画したのが、本書です。」(3ページ)私にとって「はじめに」は宣戦布告というか国威発揚といった類のページなんです。Les nøye! じっくり読んでくださいね!
●文字と発音
日本語にはない発音をするノルウェー語の母音の発音をいかに言語化するかがチャレンジングでした。Øの発音は特に腐心しましたー。またノルウェー語の「歌うように話す」ように聞こえる原因はトネーム(tonem)です。ネイティブは意識せずに操れるトネーム。私たちは「学ぶ」必要があるのでページを割きました。
●18課のテーマ
こちらのブログで紹介しています。中でも思入れがあるテーマとして13課の”Norske folkeeventyr“「ノルウェー民話」を挙げました。最初に留学したHøgskulen i Voldaのノルウェー語講義で最初に読んだ文学テキストがDe tre Bukkene Bruse som skulle til seters og gjøre seg fete三びきのやぎのがらがらどん』でした。さらにノルウェー人のお宅訪問をすると本棚には民話集が置いてあり、両親や祖父母が子どもや孫に読んであげている場面を見ていました。ノルウェー民話はTrollの不可思議な魅力と相まり、ノルウェー語や文学、文化、その他さまざまな分野に影響を与えているのです。

ノルウェー民話

ノルウェー民話集

●単語リスト
西川さんの地道な作業によって成り立っています。文中の単語を根気よくexcelに入力して下さいました。私は名詞の性(ノルウェー語には男性・女性・中性名詞があります)を単語ごとに辞書と照らし合わせてチェックしたのですが・・・まさかの・・・え?この名詞も実は女性名詞だったの??が多発!焦りましたー。なぜ女性名詞を見落としがちなのかは、本書の40ページに答えが書いてあります。

各課の構成についても触れました。
●文法解説
説明は短く、例文を多く含めるようにしました。「洗脳例文」も随所に光ります。21ページ”Alle elsker Norge!”「すべての人はノルウェーを愛している!」が好例でしょう。本書で含めることができて嬉しかった文法テーマは「小さな単語」(132ページ)です。jo, vel, nokといった「小さな単語」の用法をぜひ学んでほしいです。
●ノルウェー愛テスト
三択問題ですが、かつての北欧ぷちとりっぷの「北欧検定」問題作成の経験が生かされています。ちょっと意地悪な問題として、129ページを開いてみて下さーい。
Q:英語が下手で有名になってしまったノーベル委員長はだれ?
Jens Stoletenberg   
Thorbjørn Jagland
Jonas Gahr Større

皆さま、分かりますか?とりあえずたくさん問題を作りました!あなたの「ノルウェー愛」が試されますー。

終わりに

トークが終わり、質疑応答の時間でいろいろな質問やご感想をいただき嬉しかったです!繰り返しになりますが、慈愛に満ちたお客さんたちで話しやすかったですね。高校生の方は「学校の課題でノルウェーについて書きます」とのことで驚きました。Lykke til!
参加者の皆さま、ネットで本書を注文して下さった皆さまはもちろん、快く機会を与えて下さったひるねこBOOKSさん、そして本書誕生の最大功労者である白水社の西川さん、Tusen takk!
さらにさらに本書を別の手段で購入して下さった皆さま、これから購入しますよ、図書館に注文しますよ、という皆さまにもTusen takk!
長く愛される本になることを祈っていますー。

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